渡辺えり「渡辺徹さんとの飲み会に集めた6万円預かったまま」
2022年も多くの偉大なスターが、たくさんの思い出をわれわれに残してこの世を去った。そんな故人と親交が深かった方々から届いた、愛あふれるラストメッセージを紹介。題して、「星になった有名人」--在りし日の姿に、心からの哀悼の意を表して。
■渡辺徹さん(享年61・俳優・11月28日没)へ。渡辺えり(67・女優)
徹さんとは演劇を介して心を通わせていました。ご覧くださった私の舞台の感想をメールで頂戴していたんです。
とくに印象深かったのが、今年の夏に上演した舞台『私の恋人 beyond』のときのこと。「演劇を志した若者の時代を思い出すようないい舞台でした」とメールをいただきました。
今年1月には『有頂天作家』という舞台で徹さんと共演したのですが、体調はすぐれなかったはずなのに一切そうしたことを漏らさない。それほど舞台に命をかけてらっしゃる方から“初心を思い出す”という言葉をいただくなんて、今も忘れられません。
実は、亡くなられる2週間前にLINEでつながったばかり。これからはもっと演劇についてやりとりができるねと話していたのに……。
舞台を降りると一転、素顔はユーモアにあふれた人物。『女性自身』の取材のときもそうでしたが、とにかく楽しかった記憶ばかりです。
以前は舞台が終わったあとに、徹さんたちと飲み会に行くことも。本当に陽気な方で、よく一緒に大笑いしていました。
そんなお酒の場でも、話題の中心はやはりお芝居。「あそこはもっとこうしたほうがいいんじゃないか」などと、意見を交わしあったものです。
コロナ禍以降はそうした機会もないまま。次回のためにと、徹さんが多めにカンパしてくださった飲み会費用の6万円もまだ、幹事の私が預かったままです。
『有頂天作家』では徹さんに恋心を寄せる役を演じましたが、芝居できちんと思いを受け止めてくださるから、とても楽しく舞台に上がることができました。私にとって徹さんは、舞台の大好きな演劇青年。最後まで、演劇青年としての人生を歩まれたのだと思っています。
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