南果歩「今は自分のために生きる時間」渡辺謙との離婚で変わった価値観
20代の体力はないですが、戻りたいとも思いません。今の年代だから見えてくるもの、できることがありますし、経験したことや生まれた感情は、すべて自分の栄養になると思っています」
■「逃げることは恥ずかしいことじゃない」
“奈落の底”から、自己表現を楽しむ人生へーー。大きな転換を果たした彼女の言葉から、“自由と自立”へのヒントが見えてきた。
重度のうつ病と診断され、アメリカへ渡ったことを南自身は「逃げる」と表現したが、決してネガティブな意味ではない。
「自分ではどうしようもない場所から離れて、居場所を変えることで見える景色や入ってくるものが変わり、自分を整えることにつながります。つらいことがあるのは大人だけじゃないですよね。いじめに遭っているならクラスやグループ、学校からも逃げる。まったく恥ずかしいことじゃありません。
ここにいたらダメになると思ったら、自分を失う前に逃げることも選択肢の一つです」
大きな出来事だけでなく、つらいことや日々の生活に埋もれてしまった自分を見つけていくことも、精神的な自立への一歩となる。
「『どっちでもいい』『あなたの好きなほうで』というのが当たり前になっているとしたら、『私はこう思う』『私はこうしたい』と、自分の意見をひとつずつ増やしていくことで、自分の輪郭がはっきりしてくると思います。