2023年1月26日 11:00
コロナ後遺症の処方薬、市販のかぜ薬も…深刻な“薬不足”に医療現場が悲鳴
こうした原因に加えて、コロナ禍による原料不足、オミクロン株以降の感染者急増などが、薬不足に拍車をかけている。対応に苦慮しているのが調剤薬局の薬剤師だ。名古屋市内の大手薬局に勤務する薬剤師の安田佳子さん(仮名)は「漢方薬までも品薄」と、こう苦悩をにじませる。
「コロナ感染による喉の痛みやせきの症状を和らげる葛根湯や麦門冬湯といった漢方も入ってきません。花粉症やアレルギー性鼻炎に効果のある小青竜湯も品薄。通常であれば1週間分お出しするところを3日分だけ処方して、残りは入荷次第で郵送することもあります」
加えて、安田さんをはじめ調剤薬局の薬剤師を悩ませているのが、子どもへの処方薬だ。
「赤ちゃんや小児は錠剤がのめませんから、ふだんは粉かシロップのせき止めや解熱剤を処方するのですが、それが手に入りません」
このところ増えている、コロナ後遺症患者の薬も不足気味に。
「後遺症で口内炎を訴える患者さんに処方するビタミン剤や、味覚・臭覚障害の方に処方する亜鉛入りの胃薬も入荷しにくくなっています。
他店に問い合わせて、足りない薬を融通し合って乗り切っている状態です」(安田さん)
薬不足は処方薬だけにとどまらない。