シンガー・ソングライター小椋佳 もう燃え尽きた…でも、余生も愛燦燦
そのコンプレックスがあって、一度は1人で生活してみようと思い立ったんです」
そこで週末婚を始めるのだが、当然、妻には「なんで57歳にもなって、夫に捨てられなきゃいけないんだ」と泣かれたという。
ところが、金曜日の夜に自宅に帰り、月曜の午前中に一人暮らしの部屋へ戻るという生活は、絶妙な夫婦の距離感が保て、関係はより良好なものに。だからこそ、充実した音楽活動を続けることができたのだ。
■支えてくれた家内への感謝も。これで明日ぽっくり逝ったら最高なんだけどな
「十分に歌って、曲作りをした人生を送れました。それで9年前、古希を迎えたとき“もう音楽で、やるべきことはすべてやりきった”と思えたんです。音楽活動をやめ、お別れするみなさんに感謝を伝えようと思って、4日もNHKホールをお借りして『生前葬コンサート』というのをやらせていただきました。無事に終わってホッとしたあたりで死んでいれば、ボクの人生は完璧だったですね。
ところがね、なかなか死なないんですねえ」
一方で、体は確実にいうことをきかなくなってきている。歩くのもゆっくりだし、お風呂に入ろうと思い立ってから、実際に入り終わるまで2時間かかることも。