2023年2月19日 06:00
鬼滅の刃、SLAM DUNK…メガヒットアニメのルーツは『もののけ姫』
の持つ当時の記録を更新して大ヒット、最終的な興行収入は201億円を突破した。
「ジブリ作品特有のキャラクターの繊細な動きにさらに磨きをかけるため、通常5万~7万枚ほど使用するセル画を、倍以上に増やしたとか。久石譲さんによる音楽、とくに米良美一さんが歌う主題歌は、インパクトがありました」
■“ドル箱アニメ”のビジネスモデルを発明した『もののけ姫』
大ヒットした理由は、こうした作品の持つ力ばかりでなく、鈴木敏夫プロデューサーによる“仕掛け”にもあった。
「同作品のポスターに使用された『生きろ。』というキャッチコピーは、糸井重里さんによるものです。このシンプルな言葉を生み出すまでに、鈴木氏と糸井氏の間で、何度もFAXのやりとりがあったといわれています」
また、ほぼ同じ封切り日だった『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(’97年)に、多くのスクリーンを押さえられていたというが――。
「鈴木さんが配給会社の担当者と粘り強く交渉し、特別な配給態勢を整えたという逸話もあります。さらに、『目標の配給収入を得るには、それと同額の宣伝を行えばいいんだ』と、宣伝スタッフを鼓舞。
それが功を奏したのは、’90年代がまだマスメディアの影響力が強い時代だったからでしょう」