高校生写真家が撮るシマエナガほか“冬もふ”動物コレクション
シマエナガ(撮影:藍沙)
「動物たちは美人モデルさんだと思っているんです。ありのままの魅力を邪魔することなく、いかに引き出せるか。そう思いながら撮影しています」
そう話すのは、動物写真界の期待の新星である藍沙さん(17)。なにより「写真と動物が大好き」といい、作品について語る姿は実に楽しげ。彼女の撮る写真は野生動物の愛らしい魅力にあふれたものばかり。
「いつも意識しているのは、動物写真家の小原(玲)さんに教わった『動物たちと目線を合わせる』こと。地面に寝そべることも多く、よく泥だらけになっています」
ときにはマイナス10度以下の過酷な環境でカメラを構え続けることも。しかし、いざ被写体が現れるとそのつらさは吹き飛んでしまうそう。
「興奮のあまり『手袋が邪魔』と思っちゃうくらい。でも、動物たちのすみかにお邪魔させてもらっている身です。撮影中は動物たちの負担にならないことを最優先にしています」
【シマエナガ】丸っこさと、顔のシンプルさがかわいい!
北海道にしか生息していない雪の妖精。「朝日新聞社賞をいただいたつららをなめる写真は、『目線を合わせて』というアドバイスのおかげで撮れました。丸っこさと、顔のシンプルさがかわいい!」
【エゾモモンガ】あまりに寒くて太陽が昇ってきたときに感動
夜行性のエゾモモンガは、夜明けから1時間が勝負。「あまりに寒くて太陽が昇ってきたときに感動したほど。ふだんから撮っている鳥とは飛び方が異なるのも難しかったです」
【コジュケイ】コッチコーイ! と聞こえる鳴き声がおもしろい
キジの仲間のコジュケイは鳴き声が特徴的だとか。「コッチコーイ! と聞こえるのでおもしろいんです。
このときは羽がふくらんでより丸々していたのがかわいかった」
【ニホンリス】カワセミで素早い被写体を撮る練習を
動きが速くて撮影難易度が高いリス。「カワセミで素早い被写体を撮る練習をしていたかいがあって撮影に成功。小原さんたちと一緒に“飛びリス”を撮影したことが懐かしい」
写真を通して動物の素晴らしさを伝え、野生動物の居場所を守りたいーー。そんな夢を持つ藍沙さんも、この春からは高校3年生。今後の展望は?
「写真を中心に据えつつも、学業と両立させたいです。あと、実はすごく負けず嫌い。今は若いから注目してもらいやすいですが、現状に満足せずもっと成長して、同年代はもちろん上の世代にも負けない技術を磨いていきたいです」
【PROFILE】
藍沙
’06年、東京都生まれ。動物写真家の故・小原玲氏に教わりながら小学5年生より野鳥を撮り始め、14歳で初の個展を開催。
「第37回『日本の自然』写真コンテスト」で朝日新聞社賞を受賞
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