2023年2月26日 06:00
オリコン常連で中卒の作詞作曲家・岡嶋かな多さん「音楽を作って辛さも悲しさも成仏させてきた」
おてんばでしたね。バービー人形もおままごともありましたが、私は家の裏にある川でザリガニを捕ってるほうが好き。『女の子らしく』と言われるのがイヤで、スカートもはきたくなかった」
通った現地の小学校には、さまざまな国籍の生徒がいた。
「肌の色が違うのが当たり前。この社会では、努力と強い気持ちが大切だとアメリカで学びました」
8歳で帰国して、都内で暮らし始めた途端に、ある違和感に襲われたという。
「町の至る所にブロック塀があって、圧迫感を覚えたんです。学校も、正直、窮屈でしたね。音楽の時間にリコーダーを吹くときも、なんで、みんなそろえて同じように吹かなきゃならないの、と」
その音楽も、「けっして得意でも好きでもなかった」と言う。
「音楽の楽しさを知るのは、小5のとき。担任が音楽の女性教師で、クラスの生徒一人一人にオリジナルソングを作ってくれたんです。『曲って自由に作れるんだ』と目覚めたきっかけでした」
次の気づきは、中1の1学期終わりごろ。
「期末試験明けに友人とカラオケへ行って、ラストに私が大好きだったミスチルの『Tomorrow Never Knows』を歌ったんです。そしたら友達が口々に『かな多、うまくない?』と言ってくれ、涙ぐんでるコもいて。