くらし情報『「次の世代に美しいバトンを」坂本龍一さんが死去3日前に本誌へ寄せた“神宮外苑の再開発”への警鐘』

2023年4月4日 06:00

「次の世代に美しいバトンを」坂本龍一さんが死去3日前に本誌へ寄せた“神宮外苑の再開発”への警鐘

明治神宮にも手紙を送ったらどうか」と、無責任な発言に終始した。

がん闘病の末、3月28日にこの世を去った坂本さん。亡くなる直前の25日に、本誌に冒頭のコメントを寄せてくれていたのだ。

明治大学特任教授で都市計画が専門の大方潤一郎さんが指摘した。

「神宮球場は数年前に耐震改修がすんだばかり。ラグビー場もリノベーションすれば使用できます。にもかかわらず、百年の杜を潰してまで建て替えるのは、開発事業者らが利益を得たいためでしょう」

神宮外苑の歴史的背景と開発スキームを、こう解説する。

「もともと神宮外苑は国有地でしたが、戦後、明治神宮に払い下げられ、自然環境を守るための“風致地区”として保全・管理されてきました。
ここは都市計画法で公園に指定されているので、本来、マンションやオフィスビルは建てられない。そのため苦肉の策として、ラグビー場の一角を公園として使用されていない“未供用区域”と見なし、公園の指定から外してしまったのです。そこに、ホテルを併設した野球場や、オフィスと商業複合ビルを建てるという計画です。

違法ではないが、極めて不適切な制度運用と言わざるをえません」(大方さん)

「図で示したように、ラグビー場の移転によって、隣接する樹齢100年の建国記念文庫の森が半分以上、壊されます。

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