2023年4月6日 06:00
アベノミクス支えた黒田日銀総裁が退任! 超低金利が終わると生活どうなる?
4月8日に退任する黒田日銀総裁(写真:時事通信)
4月8日、日本銀行総裁の黒田東彦総裁が退任する。2013年から10年にわたりアベノミクスを支えてきた元大蔵官僚の黒田氏。後任は経済学者の植田和男氏となる。
「植田氏は学者ではありますが、机上の空論ではなく、日銀の審議委員を務めていた経験もあり、“量的緩和策”を理論面で支えた実務家といってよいでしょう」
そう解説するのは経済評論家の加谷珪一さんだ。アベノミクスの柱がこの量的緩和策だった。長く続いたデフレからの脱却という名目で、日銀はインフレ率2%の目標を掲げ “お札をばんばん刷ってきた”。
「日銀は国債を大量に買うことで、その代金として日本円を金融機関に大量に供給してきました。金融機関はお金があるから融資しやすいし、企業は設備投資を整えて事業を拡大できる。
これで経済が改善するという触れ込みだったのですが、もともと日本経済は疲弊していて、思うように成長できませんでした」
一方、国債の残高はふくらんでいった。さらに、近年の世界的なインフレで世界各国が金融引締め策をとるなか、日本が量的緩和策を続けることで、急激な円安を招き、国内のインフレにも歯止めがかからなくなっている。