2023年4月9日 06:00
平均78歳のおばあちゃんが経営する「BaBaピザ」代表・キョウコさんが語る波乱万丈の半生
という小さな店がある。
働くのは73歳から86歳までの女性たち6人。平均年齢78歳の、その店名のとおり、おばあちゃんたちが運営するピザ店だ。
「生まれも育ちも、ここ蓮沼。子供のころは九十九里の海で遊んだり、実家は農家で畑の手伝いもしてました。4人きょうだいの長女だったから、いつも弟や妹をおんぶして駆け回っていたのよ」
BaBaピザ代表で、起業時の“言い出しっぺ”でもあるキョウコさんこと橋本京子さん。幼少のころから、リーダーの才を発揮していたようだ。
洋裁学校を出て、家事手伝いをしながら、迷うことなく地元の青年団に入団。
「ここで6つ年上の夫と出会い、21歳で結婚しました。夫は父親が地元の開業医で、自分も医大に入ったんだけど中退して実家の手伝いをしていたんです。結婚後、私も医療事務などをしてました」
その後、2人の息子と1人の娘の母親となる。しかし、安定した穏やかな暮らしが、40歳を目前にして一変する。
「主人が膵臓がんで45歳の若さで亡くなったのは、私が39歳のとき。病気がわかったときは末期で、1カ月半で亡くなりました」
夫の最期の言葉は、「おまえならできる」だった。このひと言を頼りに、キョウコさんは子供を連れて婚家を出た。