2023年4月9日 06:00
平均78歳のおばあちゃんが経営する「BaBaピザ」代表・キョウコさんが語る波乱万丈の半生
そのピザを周囲にふるまうと、誰もが「おいしい」と評判に。実は、その前から仲間たちの間で、こんな声がよく出ていた。
「子供だけでなく孫もそろそろ手が離れるから、みんなで、お店でもやりたいね」
さらに、別の事情も。
「当時、BaBaピザの店の目の前にある道の駅で、笑の会でおにぎりの出店などをやっていましたが、冬は寒いし、夏は暑いしで、『いつか屋根のあるお店でやりたいね』と、メンバーの共通の夢みたいになっていたのよ」
そして’19年の年明けだった。すぐ近所で、山武市が管理する施設が空き家状態になっていることを知る。
「ここだ!」
キョウコさんは、気心の知れた仲間5人に緊急招集をかけた。
■料理本に、食べ歩きを重ねて、独学でのピザ修業。電気のピザ窯もネット通販で取り寄せた
「あんた、いくら出せる?」
「私は虎の子の30万円がある」
「うちは、孫が進学したばかりだから、せいぜい5万かな」
出資金を集めたときのことを、キョウコさんが振り返る。
「6人が出せる金額はバラバラ。でも、誰からも文句一つ出なかった。みんなが主婦経験者で、それぞれの家庭に事情があるのを、お互いさまと知ってたから」