2023年4月9日 06:00
平均78歳のおばあちゃんが経営する「BaBaピザ」代表・キョウコさんが語る波乱万丈の半生
結局、ピザ作りの主役ともいえる電気のピザ窯もネット通販で取り寄せたの」
こうして’19年6月、オープンの日を迎えた。
ところが、独学での準備だっただけに、いざ開店してみると、試行錯誤の連続だったという。たとえば、生地を延ばす担当のタカコさん。今では両手を巧みに使い、きれいな円形に仕上げるが、
「最初は、めん棒を使って薄く延ばしても、なかなか丸くならなかったり破れたりで苦労したもの。
それがオープンから数週間後、たまたまテレビにピザ作りの世界チャンピオンが出ていて、粉をこれでもかというくらい振りかけている。それをまねたら、ウソのように上手にできるようになったの。だから、本当に初期のお客さんたちは不ぞろいのピザを食べていたと思うんです。もう、ごめんなさいですね」
タカコさんは、経営的にも苦しい時期が続いたと話す。
「最初の2年間は、ほとんど無報酬。まず知名度がない。だから、ママ友に電話をかけまくって、『今、ヒマ?ピザ食べたくない?』って勧誘してた(笑)」
オープンから半年後、まず地元紙に店の記事が出て、’20年春にはテレビ番組『人生の楽園』(テレビ朝日系)でも取り上げられたことで、週末には途切れなくお客が訪れるようになっていた。