梅宮アンナ 父・辰夫のレシピを引き継いで「料理にハマった」
辰夫さんが2019年に亡くなったあと、大量のレシピノートが見つかった。そこに書かれていたのは、生前、辰夫さんが振る舞っていた料理の数々。きちょうめんな字で分量まで細かく記され、雑誌のレシピの切り抜きなども挟み込まれていた。
「父の遺品整理をしながらノートを見ていたら、『ああ、この料理、よく作ってくれていたな』『あの料理、また食べたいな』なんて、振り返るようになりました。でも、そんなふうに思えるようになったのは、父が亡くなってから。生きているときは当たり前すぎて、あの味が貴重なものだということに気付けなかったんです」
今、辰夫さんの面影を特に感じるのはキッチンだという。エプロン、まな板、包丁……、キッチンにある調理用具はすべて辰夫さんが愛情を込め、手塩にかけて使っていたものばかり。
「父はいつもキッチンで包丁を研いでいました。
包丁もまな板も今は、私が使わせてもらっています。父の包丁は本当によく切れるし、使いやすいんです」
20冊以上あるノートを何度も読み返すうちに、「このレシピを受け継がないといけない」と考えるようになったというアンナさん。書籍という形で残すことを決め、2021年に『梅宮家の秘伝レシピ』(主婦の友社)