くらし情報『ステージ4の末期がんを抱えながらキッチンカーを走らせる子ども3人ママ』

ステージ4の末期がんを抱えながらキッチンカーを走らせる子ども3人ママ

「佐賀トヨタ自動車」でのイベントに出店、キッチンカーの前で記念撮影。写真のいちばん右は秋吉さんの長男、隣は次男

「佐賀トヨタ自動車」でのイベントに出店、キッチンカーの前で記念撮影。写真のいちばん右は秋吉さんの長男、隣は次男



【前編】子ども3人ママが末期がん告知で一念発起余命2カ月を超えて走り続けるキッチンカーから続く

目の前のキッチンでパワフルに働いている女性が末期がんとは、あぜんとするしかない。しかも“店”を始めたのが余命を宣告された2カ月後とは……。

転職、スピード婚、子育てで発揮してきたそのバイタリティは、がん告知されても変わらない。体がいつどうなるかわからないけど、走り続けると覚悟を決めたのだ。

子どもたちは将来「キッチンカーのクレープ、うまかったよな」と思い出してくれるーー。

秋吉さんは1977年、佐賀県佐賀市に生まれた。
幼いころから活発で負けず嫌い。当時の夢は「自分の店を持つこと」。飲食店を営んでいた叔母に憧れていたという。

「まだ、バブルが弾ける前で、叔母はとても羽振りがよくて。『由紀ちゃん、いまの時代、女性でもこうやって仕事ができるし、稼ぐことだってできるのよ』って」

商業高校を卒業後、県外の調理師専門学校に進みたかった。だが、父の猛反対にあう。生まれ育った佐賀には依然、女性に対する偏見が色濃く残っていた。

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