ステージ4の末期がんを抱えながらキッチンカーを走らせる子ども3人ママ
1カ月に及んだ検査入院。秋吉さんは「がん」という病いと、忍び寄る「死」を、強く実感することに。
「隣のベッドの人が亡くなったんです、膵臓がんで。私はスマホでがんのこと、ググったりして。普通に『やばい!』と思いましたよ。それで、イヤホンして、大好きなK-POPのBIGBANGの曲を大音量で聴きながら『隣の人は隣の人、私は大丈夫』と自分に言い聞かせてた」
入院中のある日。売店で見つけたあるものに、秋吉さんはすがる思いで、手を伸ばしていた。
「それは『死ぬまでにしたい100のこと』というノートでした。
自分でも書いてみようと、すぐ買いました。ただ死を待つんじゃなくて、やりたいこと、いまからできることを探したいと思ったんです」
秋吉さんが「これです」と差し出したノート。ページをめくると、そこには「USJに家族でいきたい」「北海道にいきたい」といった具体的な“したいこと”と併せて「死ぬときは、そばにいてほしい」という切ない“夢”も綴られていた。さらに、幼い息子たちの行く末を案じて書いたであろう「子供たちを20才まで育てたい」「子供たちの結婚をみとどけたい」「まごをみたい」、そして、3人の息子の名の後に「私の背をいつ、おいぬく?」