2023年6月12日 11:00
“50代未婚”有森也実「楽しいだけの人生は面白くない」
結局、お別れしました」
30代に入ると、女優としての方向性など、仕事面での苦悩があったという。役柄の幅も広がった。
「演じるためには人間を観察して、心情を表現するため、自分とは違う役でも『生きている』感覚のようなものがあります。夫婦役、子どもがいる設定などもあるなかで、自分の役割をしっかり果たしていくことがいちばん大事でした」
■未婚のプレッシャーを「独自性」という強みに
「結婚をしたら子どもを持つ」という漠然とした考えがあるなかで、40歳を過ぎ、その選択肢も少しずつなくなっていったという。そしてひとつの壁にぶつかった。
「結婚して母親になるという経験をしていないことを、女としても女優としてもコンプレックスというか、すごくプレッシャーに感じていました。親の気持ちを表現するにも、子どもがいないのにどうすればいいんだろうって。でも、じゃあ殺人者の役はどうするんだという話ですよね。
大事なのは自分の中で考えて作り出すことで、ある意味、クリエイティブの自由があるということ。『自分なりの独自性につながればいい』と、やっと思えるようになりました」
プレッシャーを強みに変えられる芯の強さを感じるが、これまでもこういう悩みや葛藤は自分一人で解決してきたのだろうか。