2023年6月11日 06:00
小野寺昭 実は『太陽にほえろ!』って13回で終わる予定でした
「いや1年だ」と延長を重ねた。
「萩原健一さんはわれわれの前で『1年もやるのかよ。俺もう飽きちゃったよ』と冗談半分に言っていましたが、その言葉どおり萩原さんは1年で殉職することに」
■殉職シーンは“あっさり、あっけなく”とリクエスト
憧れだった裕次郎さんとは、回を重ねるごとに打ち解け、かわいがってもらったという。
「石原さんは撮影現場にキャンピングカーで来るのですが、『冷たいものでも飲んでけよ』と誘ってくれたことも。僕とテキサス(勝野洋)とボン(宮内淳さん)でハワイに行ったときは、石原さんが自分のヨットでワイキキを一周してくれました」
個性の強い人気俳優に囲まれても、殿下は存在感を放っていた。
「僕は普通の青年っぽかったんですよ。でも、それが自分の持ち味だと感じてね。スリーピースのスーツも衣装さんと相談して決めました。
最初はありものだったけど、2年目くらいからオーダーに」
どこに行っても「殿下」と呼ばれる人気キャラクターに成長。だが、放送開始から5年もたつと、迷いも出てくる。
「このまま刑事をやっていると、いい人しかできない。悪役もやりたいと思って『やめさせてください』とプロデューサーにお願いしたのですが、『とんでもねえ、ばか野郎!』って一喝(笑)」