2023年7月2日 06:00
売野雅勇語る『少女A』誕生秘話 中森明菜は“繊細で傷つきやすい少女”に見えた
妻の友人たちの説得なんかもあって、3回目はやり過ごせなかったというか、押し切られて結婚したという感じです(笑)」
そんな時期、初めて音楽関係の仕事が入ってきた。CBS・ソニーのレコードやCDの帯コピー、音楽誌に掲載する広告の文章やキャッチフレーズを考案する仕事だ。
「朝10時から夜9時くらいまで仕事するんですけど、試聴室でヘッドホンを耳に当て、ずーっと聴いてるんです。おもしろくない曲は飛ばしたりしますけど」
ここで担当したシャネルズの新聞広告のキャッチコピーが担当ディレクターの印象に残り、「作詞をやってみませんか」と電話がかかってきた。29歳のときだった。
■『少女A』が急遽シングルカットされ大ヒット。明菜をスターダムに押し上げ、快進撃
「コピーが気に入ってもらえたのかもしれませんが、糸井重里さんが『TOKIO』を書いた時代ですから“コピーライターに書かせてみたい”って思ったんでしょうね。シャネルズのメンバーも集まった会議で、ブレーンとして出席しました。
若いから頭の回転がよかったですね。アイデアがいくらでも出てくるんですよ。シャネルズの2枚目のアルバム『Heart&Soul』に収録された、鈴木雅之さんが作曲した『星くずのダンス・ホール』が、ボクの作詞家デビュー作(麻生麗二名義)