『涙のリクエスト』でスターに! 作詞家・売野雅勇明かすチェッカーズの素顔
作詞家デビュー40周年ライブが控えている売野雅勇さん(撮影:加治屋誠)
中森明菜、チェッカーズ、菊池桃子などに数々のヒット曲を提供し、スターを輝かせ、時代を変えた。初めはコピーライターとして、しだいに作詞家として頭角を現した彼は、曲の中で「人間の本質を描きたい」と語る。多くのアーティストたち、そして妻が創造力を高めてくれた。
40周年コンサートを控えた72歳のいまも、ペンが止まることはない。令和の時代に新たな一曲を紡いでいく。
■チェッカーズとの出会い
「ヤマハのライトミュージックコンテストで賞を取った、チェッカーズっていうバンドがデビューするんだけど」
売野のもとに新たな仕事が舞い込んだ。作業にとりかかったのは、ちょうど映画『アメリカン・グラフィティ』から着想を得た、稲垣潤一が歌う『夏のクラクション』を書き終えたときだった。
「映画には実在するウルフマン・ジャックというラジオDJが登場するんですが、それで『ミッドナイトDJ』というワードがふっと思い浮かんできて“おもしろいな”と。
1時間45分ほどで書き上げた作品が『涙のリクエスト』だったんです」
『ギザギザハートの子守唄』や『涙のリクエスト』『哀しくてジェラシー』などが候補となり、どの曲をデビュー曲にするのかが話し合われたという。