年収の壁 パートで130万円稼ぐと損する…政府が対策も労働者への補助なし
ですが加入後、年収を125万円程度までぐっと増やせば、保険料を払っても加入前の手取りを下回ることはありません。
そのため、6月28日に政府の方針が報道されました。基本給の3%アップや週3時間以上労働時間を増やすなどした企業に、労働者1人当たり最大50万円の補助金を送るといった内容です。
ただ補助金を受け取るのは企業です。労働者は長く働いても手取りが増えない状況で、働き損の印象を払拭できるとは思えません。
【2】130万円の壁
従業員などが100人以下の企業で年収130万円以上になると、勤め先の社会保険か、国民健康保険・国民年金のどちらかに加入しなければなりません。年収約130万円だと社会保険料は年約20万円です。
6月30日に明らかになった政府の方針は、「年収が130万円を超えても一時的な収入増なら、保険料のかからない扶養にとどまることができる」というもの。
保険加入ラインをうやむやにする場当たり的な方針としか思えません。
というのも106万円の壁は’24年10月に、従業員数101人以上の企業から、51人以上の企業にも広がるのは決定済み。さらに従業員数の要件自体をなくす方向で審議中なのです。