好評『らんまん』も後半戦突入 注目は要潤と志尊淳が演じる“人間臭いキャラクター”!
今回でいえば、要潤さん演じる田邊教授にも通じます」
テレビのメディアは、勧善懲悪で、一方だけが悪に描かれることが多いが『らんまん』は違うと影山さん。
「純粋で表裏がなさすぎる万太郎。その周りにいる人も、単に“敵”として描くのではなく、1人1人の人生の機微や、葛藤や苦悩がとても丁寧に描かれています。
例えば、田邊教授は、“女より男の嫉妬のほうが怖い”と感じさせる冷酷さがありつつも、年下の妻の聡子(中田青渚)に示す優しさと人間の温かみも描かれる。長田さんの脚本力が光っています。演じる要(潤)さんも端正な顔立ちに目つきは鋭く、“悪役”が似合う(笑)。視聴者は悪役のこういう温かみに触れると、亡くなった万太郎の厳しい祖母(松坂慶子)や、留学に行ってしまった、実は心優しい助教授(田中哲司)がいたら、万太郎に教授への礼を欠くことはさせなかっただろうにと、思ってしまうんです。それほど、1人1人のキャラが生きています。
万太郎が、これまでの田邊教授への感謝を思い、論文を作成する場面もありました。でもそれが言葉にはならなかった。もう、どうしようもないすれ違いです。まさに、あいみょんさんの主題歌『言葉足らずの愛』とリンクしていて心に響きます」