2023年9月3日 06:00
川崎市「風の谷の幼稚園」子供本位の教育にかける天野優子園長の情熱
「板に釘を打とうとして失敗する。でも釘は抜けばいいし、板が穴だらけになったら裏返せばいい。実は釘の長さも2.8cmからcmまで、年少、年中、年長と微妙に変えています。
つまり、風の谷には『失敗』の文字はないんです。そのときできなくても、じゃ、次は何かいい工夫はないかと考える。そんな子に育ってほしい」
■恒例の「じゃがいも掘り」で子供たちは自分の決断に責任を持つことを覚える
今年も6月に行われた「じゃがいも掘り」は、そんな風の谷の学びを究極に具現化したもの。さらに、別のテーマもある。
「自分の決断に責任を持つ、です。
子供たちが掘ってリュックに入れた分はすべてあなたのものというルール。『ママやパパにも食べさせたい』と、リュックにパンパンに詰める子も多い」
しかし、小さな体で畑から園に戻るまで2km近い山道を、ときには5〜6kmもの芋を背負って運ぶのは並み大抵の苦労ではない。
「泣きだす子もいます。でも、この日ばかりは『軽々しく“手伝うよ”とは言わないで鬼の顔をしてくれ』と、担任にも告げています。
あとはがんばるも減らすも、その子の判断。が、いったん減らしたら、もう自分のものじゃない。