2023年9月3日 06:00
川崎市「風の谷の幼稚園」子供本位の教育にかける天野優子園長の情熱
3歳でまず参加し、歳でいかに多く運ぶかを工夫して、5歳で体験を将来に生かせるようになる。
そんな成長を、風の谷では保護者も同時に味わっていますよ」
年長組の浅野森くん(5)の母親の朋子さん(46)が語る。
「私自身、マンションの前に次々にいろんな園のスクールバスがお迎えに来るのを見て、子供を荷物のように運ぶことに違和感を覚えて、そんな自分がおかしいのではないかと悩んでいました。
でも、風の谷で毎朝、親子で一緒に登園するなかで、ちっちゃなわが子の手を握りながら、この3年間は二度とない貴重な時間なのだと、自分の選択は間違っていなかったと思えました」
同じく年長組の吉村美咲ちゃん(5)の母親の愛子さん(39)は、
「保護者の行事への参加も多いことも風の谷らしさ。その母親同士の連絡網も、『LINEだと誤解を生むこともあるので、なるべく顔を見て話し合おう』と。そんなアマノイズムに、いつかみんなが染まっていたんです(笑)」
愛子さん自身も、天野園長との出会いで変われたという。ある行事に「参加していいですか?」と園長に尋ねたとき、こんな言葉が返ってきた。
「私に聞くのじゃなしに、『出たいんです』と自分の気持ちを大切に口に出してほしい。