9月7日開幕「最後の展覧会」で開花した“芸術家・蛭子能収”の新境地
「抽象画家としての才能を感じる」旧友たちの賞賛を受け、笑顔がはじける蛭子さん(撮影:加治屋誠)
「いや~、すごい絵ですね。えっ?これオレが描いたんですか?」
自分の作品が並んだ展覧会場に入るなり、漫画家でタレントの蛭子能収(75)はこう語った。
20年7月に認知症を公表した蛭子さんが描き下ろした新作19点を展示する「根本敬 presents 蛭子能収『最後の展覧会』展」が、9月7日、東京・南青山にある「Akio Nagasawa Gallery Aoyama」で始まる(9月30日まで)。
開催前日の6日には、旧知の漫画家仲間や編集者を集めたレセプションパーティーが行われた。
展覧会には、これまでの漫画家・蛭子能収のタッチとは異なる作品が並ぶ。
パーティーには、漫画家・蛭子さんに憧れた漫画家や、その才能に惚れ込んだ編集者が集まり、蛭子さんの周りをとり囲んだ。
「僕のこと覚えていますか?」
「すみません、オレは、ちょっと忘れちゃって……」
「そっか、でも元気でよかった」
名前は忘れたかもしれないが、たくさんの友だちに声をかけられ、うれしくなったのだろう。蛭子さんの笑顔がはじける。