酷暑も、原油高が原因に 卵や牛乳や菓子類も…今秋も食品価格は高騰する
小麦の価格高騰は、パンや麺類、菓子類などにも影響を与える。
■年末に高まる需要で牛乳や牛肉が価格高に
国内で生産されるものも、歴史的な猛暑の影響を受けている。気候変動が家畜に与える影響について研究している北里大学獣医学部の鍋西久准教授が語る。
「すでに卵は、暑さで鶏がエサを食べないことから、生産量が少なくなったり、卵が小さいなど品質が悪くなったりしています。また、秋から冬にかけて卵の消費量が増えますが、その時季に卵を産ませるために育てられていた鶏が猛暑で死亡したり、発育が悪くなったりしています。昨冬に鳥インフルエンザの猛威により大量に殺処分した影響もいまだ残っており、秋にかけて品不足から価格が上がる恐れがあります」
今年4月に卵の平均価格は過去最高を記録したが、その後、価格は落ち着いた。だが、この秋にまた高騰する可能性があるという。
酷暑は牛乳の価格にも影響を与えているという。
コロナによる消費量の減少で、牛乳が余り廃棄されたことは記憶に新しいが……。
「じつは飼料価格や資材の高騰によって酪農家の廃業が過去にないスピードで増えていました。加えて、暑さによって乳牛が体調を崩し、牛乳の生産量が低下しています。