くらし情報『日本人唯一のマルタ騎士・武田秀太郎さん IQ160の天才が抱えてきた“生きづらさ”』

日本人唯一のマルタ騎士・武田秀太郎さん IQ160の天才が抱えてきた“生きづらさ”

そして現場での活動に選んだのは、いかにも武田さんらしい分野だった。

「中高時代の経験もあってすぐに頭に浮かんだのが、教育の不公平が許せないということでした。特に騎士団の支部もある香港ではコロナ禍のなかのリモート授業が行われているのに、スマホさえ用意できない子供がおり、そこにこそ騎士団は介入すべきだと思ったのです」

彼は本部にかけあい、ノートパソコン20台を貧困家庭の生徒に無償貸与した。

「しかし大事なのはモノの貸与で終わらせないこと。それで7歳から中学生までを対象に週末に無償でリモート授業を行いました」

教育の平等へのこだわりの背景には、「病者と貧者に貢献」するという騎士団の基本理念とともに、武田さんがギフテッドとして育った過去もあった。一般に、彼らは高IQであるがゆえに繊細で感じやすいという。

「ずっと生きづらさを抱えてきました。一時は病院にかかるべきではないかと考えたほどです。
小学5年生の自由研究で、二足歩行ロボットを自作して、うれしくて先生に見せたら、『小学生が1人で作れるわけがない』と、完全否定されてしまい、深く傷つきました。

そういった話をすると生意気と批判されるでしょうが、私が言いたいのは、“落ちこぼれ”と同じように、“浮きこぼれ”もあるのだということです。

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