【白石まるみ】堀ちえみもバタン! 主要キャストが軒並み倒れたドラマ『スチュワーデス物語』の過酷撮影
“ドジでのろま”な松本千秋につねに寄り添い、応援する訓練生・中島友子を好演した白石まるみ
青春時代に夢中になったドラマの裏には私たちの知らない“ドラマ”がいっぱい。出演者ご本人を直撃し、今だから話せるエピソードをこっそりお届け!
【『スチュワーデス物語』(TBS系・’83~’84年)】
「ドジでのろまな亀」と自称するほどの落ちこぼれスチュワーデス訓練生の松本千秋(堀ちえみ)が一人前になるまでを描いたストーリー。憧れの教官(風間杜夫)の元婚約者・真理子(片平なぎさ)が歯で手袋を外す怖いシーンが目に焼きついて離れない。
「飛行機の中を模した訓練施設の撮影では、隅っこの座席に座って(堀)ちえみちゃんと恋バナをしていました。私のほうが年上だったので、相談されることが多かったですね」
こう振り返るのは、白石まるみさん(60)。“ドジでのろま”な松本千秋につねに寄り添い、応援する訓練生・中島友子を好演した。
撮影するにあたり、自分の衣装を自分で買いに行ったことが思い出だという。
「撮影前にプロデューサーから3万円ほど渡されて、『台本を読んで自分に合った服を選んできて』と。
同じ訓練生役の春やすこちゃんたちと、原宿のラフォーレに買いに行きました。今考えれば、役を理解するための訓練だったのでしょう」
大映ドラマらしい過剰なセリフや演出も魅力だった。
「かわい子ぶりっこの役なので、大げさに『え~、わっかんな~い』と演技しても、『もっと高い声で!』と、要求が厳しくて(笑)。まったく泳げない千秋が、水泳の練習として、寮の廊下を手足をバタバタさせながら先にあるビニールプールにたどり着こうとするシーン。これで泳げるようになるわけありませんが、それでも『がんばっ!』『やるっきゃない』と応援しなければいけないんです」
■実際にはプールで行っている救助訓練を極寒の海でロケ
疑問に思いつつも、全員が一丸となって演じ切った。
「もちろん“このままじゃ、大根役者と思われてしまう”という焦りもありました。でも、教官役の風間杜夫さんに『みんな、思うところはあるだろうけど、振り切って演じよう。それがこのドラマのいいところなんだから、がんばろう!』と励まされて、みんなの心が一つになりました」
実際はプールで行っているという救助訓練を、わざわざ極寒の海でロケをしたときも、文句ひとつ言わずに耐え抜いた。
「半年以上に及んだ撮影は本当にハード。ちえみちゃんを含めた主要キャストが、軒並み、倒れてしまい、最後まで病欠しなかったのは私だけ。よくロケをした穴守稲荷神社の近くに住んでいたから、私だけ毎回お参りしていたのがよかったのかもしれません」
こうした困難を乗り越えたからこそ、共演者との絆もより強まったという。
「ちえみちゃんとは結婚や出産時期が重なっていたから、子どもが小さいときは、NHKの幼児番組のイベントなどにも一緒に行っていました。共演したみんなと同窓会をしたいですね」
【PROFILE】
白石まるみ
’62年、東京都生まれ。’78年にドラマ、’82年に歌手デビュー。堀ちえみ、小泉今日子らとともに「花の82年組」と呼ばれた。動物占いの講師も務めている
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