政府助成金でパートも厚生年金の加入の好機!「月給11万円で5年加入で生涯の年金は85万円増える」
ただし、事業主が一時的な増収と証明し、扶養している配偶者が加入している健康保険組合などが認める必要がある。
■改めて老後の生き方を検討するチャンス
壁を超えると、どのようなメリットがあるのだろうか。厚生年金に加入した場合、将来、基礎年金に加え、加入した期間(働いていた期間)や当時の報酬額で決まる「報酬比例部分」を受給することができるという大きなメリットがある。
収入と加入期間によって、どれだけ年金受給額が増えるかを、井内さんの協力のもと、本誌が試算した。
たとえば、パート収入が月に11万円の人が厚生年金に5年加入した場合、65歳から受け取る年金額は、基礎年金(国民年金)だけの人と比べると、月に2828円、年間で3万3936円も増額される。仮に90歳まで生きた場合には、84万8400円も差が出る計算だ。
助成金がある間は、手取り額が減少することなく、厚生年金に加入することができるが、心配なのは3年程度とみられている時限措置が終了した後だ。
「助成金制度が終わったら、再び社会保険の扶養に入れる年収まで戻す人が出るのではないかという懸念があります。
政府は早急に、社会保険加入を継続させるための新制度を考える必要もあります」