「国民にとっては溜息だよ」岸田首相“経済の新しい息吹”発言も実質賃金は16カ月マイナスの“KYぶり”に疑問噴出
(写真:時事通信)
発足から2年を迎えた岸田文雄内閣。経済対策に批判が集まり、「増税メガネ」といった不明なあだ名まで一部でついている岸田首相だが、所得税の減税について問われた際の発言が波紋を呼んでいる。
10月4日、岸田首相は記者団に対して与党から所得税と法人税の減税を求める意見が出ていることに関して言及。各メディアによると、「国民生活を守り、30年ぶりに感じられている経済の新しい息吹を継続する目的を実現するため、思い切った対策にしたい」と述べたという。
9月27日に発表された「民間給与実態統計調査」によると、民間企業で働く会社員やパート従業員らを対象にした国税庁の調査で、’22年の平均給与が458万円と、前年より2.7%上昇したという。また同月25日に岸田首相は、経済政策の方向性について「成長の成果である税収増を国民に適切に還元する」としていた。
こうした背景を踏まえて、「息吹」としたのかもしれないが、厚生労働省が9月8日に発表した7月の毎月勤労統計調査によると、実質賃金は前年同月比2.5%減少しており、16カ月連続のマイナスを記録した。これは、賃金のアップが物価上昇に追いついていないという実情を示しているといえる。