床バレエで人気の“美尻王子”が同性婚!〈2〉ゲイである自分を押し殺していた2人の運命的な出会いと葛藤
と前置きして、自分たちの心の内をこう説明した。
「『ホモフォビア』って、聞いたことあります?同性愛や同性愛者を受け入れられない気持ちを指す言葉なんですが、それは一般の人はもちろんですが、私やクリスの中にも、あるものなんです」
クリスさんが、自らの経験を例として、さらに説明を続けた。
「潜在意識は3歳ぐらいまでに作られるというけれど、まだ僕たちの世代が幼いときは、ストレートの文化しか、教えられてこなかったから。自分でも気付かないうちに、ホモフォビアの考えが自分の中に根付いちゃっていたと思う。だから、『僕が好きなのは男の人』って自分のことを理解したとき、心の中がぐちゃぐちゃになった」
こう苦しげに吐露するパートナーの手に優しく触れながら、竹田さんが言葉を引き継いだ。
「それがきっと、幼いときの私が『自分は決して成功できない』という思いを募らせ続けた遠因だったと思うんです。それにホモフォビアってとても根深くて。大人になっても、ゲイのカップルに会うと戸惑うというか、距離を置いてしまう。
自分もゲイだというのに」
そのような心境に、大きな影響を与えたのは身近な大人=親の存在。クリスさんは、子どものころ目にした、父親の些細な言動を長い間、忘れることができないでいた。