朝ドラモデル決定の『アンパンマン』作者やなせさんが本誌に語っていた妻の献身
2025年春の朝ドラのモデルが、『アンパンマン』作者のやなせたかしさん(享年94)と妻の小松暢さん(享年75)に決定したことが、10月20日に発表された。
朝ドラのタイトルは『あんぱん』。ヒロインはオーディションで決まるという。
大正8年に高知で生まれたやなせさんは、終戦後に勤めていた高知新聞で暢さんに出会う。同社が戦後初めて採用した女性記者だったという彼女は熱血な性格で、土佐弁でいうところの“ハチキン”な性格だった。
やなせさんより先に上京した暢さんは、漫画家デビュー後も苦しむことの多かった夫を支え続けた。
やなせさんが妻について語った本誌‘02年7月16日号「シリーズ人間」を紹介しよう。
《漫画家としてひとりだちを目指すやなせさんを暢さんはこう励ました。
「なんとかなるわ。収入がなければ私が働いて食べさせるから」》
《限界まで働くやなせさんを支え続けたのが暢さんだった。「仕事以外はすべてカミさんに頼っていた。散髪も彼女にしてもらったし、病気になると全力で看病してくれた」(たかしさん)》
‘93年11月、がんのため逝去した暢さん。子供のいなかったやなせ夫妻にとって、アンパンマンはまさに“子供”なのだという。暢さんの死から30年、たかしさんの死から10年、“家族”の物語が時を経て再生することになった。
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