岸田首相の所得税の減税政策で「物価高を止められなくなる」と専門家が警鐘
所得税減税も、物価高には逆効果!?(写真:時事通信)
10月20日に“期限付き”の所得税の減税を検討するように指示を出した岸田文雄首相(66)。収入にかかる所得税を減税することで、自由に使えるお金を増やす狙いだ。
しかし、元経済産業省官僚で政治経済評論家の古賀茂明さんは、こう指摘する。
「短期的に、国民生活を改善する効果はあるかもしれませんが、長期的に見れば、税収を減らすことで国の借金を増やし、将来にツケを回す結果になります」
所得税を減税するなら、歳出の削減や大企業に負担を求める政策も行うべきという。
「国民の支持を得られない大阪万博は中止にすべきです。また、円安でボロ儲けの輸出大企業に臨時増税して、円安で苦しむ庶民の支援策の財源に充てれば、財政負担を軽減できます」
さらに、特定の目的のためにお金をプールしておく“基金”の膨張も問題だという。研究開発などを名目に、国が補助金をつぎ込んで作られる“基金”だが、岸田政権下でその額は急激に増え、2022年度末の段階で、残高は16兆円にも膨らんでいたという。なぜ、ここまで膨張したのか。
「一つには、政府が予算規模を大きく見せたいからです。