“飼育放棄”の8割超が高齢の飼い主…深刻化するペットの置き去り
ペットの飼育は自分がいつまで健康でいられるかを考えたうえで決めるようにしたい(写真:アフロイメージマート)
「これまで20年以上、飼育不可となった犬や猫を保護し、里親探しの活動をしていますが、5~6年ぐらい前から、認知症の犬を保護する件数が増えてきました。昔は認知症のペットを見たことなどなかったのですが、近年は毎年のように保護します。人間と同じように、それだけ長生きするペットが増えていることを実感しています」
こう語るのは、広島と東京を拠点に、飼育放棄された犬や猫の保護活動を行っている「NPO法人みなしご救援隊犬猫譲渡センター」理事長の佐々木博文さん。このように“ペットの高齢化”が進展していることをご存じだっただろうか。
一般社団法人ペットフード協会発表の「令和4年 全国犬猫飼育実態調査」にある、犬と猫の平均寿命の推移を調査したデータでは、’10年には犬が13.87歳、猫が14.36歳だったが、’22年には犬が14.76歳(+0.89歳)、猫が15.62歳(+1.26歳)と延びていることがわかる。高齢化の波は、人間だけでなく、ペットにも及んでいるのだ。
「ペットフードの質の向上、ワクチンや予防薬など医療技術の発展により寿命が延びているのでしょう。