くらし情報『「国民の善意におんぶに抱っこ」国立科博クラファン9億達成も残るモヤモヤ 文化事業への国の支出乏しく』

「国民の善意におんぶに抱っこ」国立科博クラファン9億達成も残るモヤモヤ 文化事業への国の支出乏しく

国立科学博物館

国立科学博物館



東京・上野の国立科学博物館が、「資金的に大きな危機に晒されている」として、目標金額1億円のクラウドファンディングを実施したところ、目標額を大幅に上回る9億円超が集まった。一見“美談”にみえる話だが、モヤモヤを抱く人も多いようだ。

「科博は独立行政法人という形態であり、8割程が国からの運営交付金で、残りの約2割が入場料などの外部資金となっています。貴重かつ膨大な資料や標本を適切に保管するには、多額の維持管理費がかかります。しかし、光熱費の高騰、物価高などで支出は膨らみながらも、コロナ禍により入場者が減少。さらに、国からの運営交付金が年々減っていることからも資金繰りが危機的状況となり、今回のクラウドファウンディングにいたったというわけです」(全国紙記者)

国立科学博物館が公開している情報によると、国からの運営交付金は、’12年は約29億円だったのが、’22年には約25億円と年々減額されていることがわかる。

盛山正仁文部科学大臣は11月7日午前の記者会見で、今回のクラウドファウンディングについて「多くの方々に科博のあり方や存在意義を理解していただいてご寄付していただいたことに感謝申し上げます」

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