ハーブ研究家・ベニシアさん夫の梶山正さんが明かす「最後の日々」〈1〉有名になった妻との間にくすぶっていた“わだかまり”
モヤモヤとした思いが募った。行数もおかまいなしに英語でつづられるベニシアさんの原稿を、一語一句、長い時間をかけ辞書を引きながら翻訳し、文字数を調整して読みやすい原稿にまとめているのは梶山さんだったからだ。
「そういうことを意外と根に持っていて(苦笑)。だからテレビの取材が来たときも、当初は『俺は知らん、関わりたくない』って、そんな態度でずっといたんです」
抱え込んでしまったネガティブな感情は、少しずつ夫婦の距離を広げていった。加えて梶山さんは、ベニシアさんと前夫との間の子どもたちとも折り合いが悪く、その関係にも悩んでいた。
「再婚というのは、そういう苦労を背負うことだと思っていたし。ベニシアの子どもなんだから、うまくやろうと努力したんやけど」
次女は発達障害を抱えていた。彼女は未婚のまま妊娠・出産。
さらに病気が発症したため、体調を崩した。そんな義理の娘を支えることは、想像以上の苦労を強いられたという。
「ちょうどそんなときです。僕に好きな女性ができてしまって。それで、家を出て一人暮らしをしていたこともありました」
その後、なんとかベニシアさんのもとに戻った梶山さん。だが2人の間にわだかまりはくすぶり続け、心の距離も開いたままだった。