国境なき医師団・白根麻衣子さんが見たガザの惨状…「子どもの遺体をアイスクリーム用冷凍庫に」
「国境を越えても嬉しい気持ちはなかった」と語る白根さん
21日、ガザに赴任した国境なき医師団の医師3人も犠牲になったと報道が。人口の半数が18歳以下のガザ地区に、子供たちの笑顔が戻る日は来るのだろうかーー。
「ガザ地区北部にあるシファ病院にいるスタッフによると、10月の段階で、子供を含めた多くの人々が無差別の空爆や襲撃、そして医療機器や薬が不足しているため、亡くなっています」
イスラエル軍が攻撃しているシファ病院の状況を語るのは、ガザ地区で医療支援活動を行う国境なき医師団(以下、MSF)の白根麻衣子さん(36)だ。
今年5月からガザ地区に赴任し、現地では診療所や病院の人事を担当しており、MSFが外科診療を支援していたシファ病院にも、1週間に1度は通っていたという。
「ガザ地区では最大規模の病院。国際人道法でも病院は攻撃対象にしてはならないため一般人も避難していましたが、その病院が攻撃され、多くの命が失われました。ニュース映像で病院の変わり果てた姿を見ると憤りを感じます」
状況が一変したのは、ガザを実効支配するハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃と、その報復の空爆があった10月7日だ。