発がん疑い「PFAS」汚染水 米軍基地周辺だけではない!全国で検出相次ぐ
准教授の原田浩二さんはこう指摘する。
「摂津市の場合は、とくにダイキン工業周辺の自家農園で野菜を作って食べている方の血液から高い濃度が検出されています。汚染された地下水を使用していなくても、周辺土壌に汚染が蓄積し、そこで作った農産物を通して体内に取り込まれる可能性があるのです」
PFASの汚染が見つかったのは摂津市だけではない。今年10月には岡山県吉備中央町の浄水場から国の暫定目標値を超えたPFASが検出されたことで、飲み水の利用制限が行われた。また、神奈川県や兵庫県、静岡県などでも、河川や地下水などで暫定目標値を超えるPFASが検出されている。
「長年にわたって摂取した量が多いと、一定の疾患に罹患しやすくなる可能性が。PFASを扱っていた米・デュポン社は2005年、周辺住民に健康被害で訴えられたのですが、和解したあとで実施した周辺住民の健康調査では、腎臓がんや精巣がん、コレステロール値の上昇、妊娠高血圧症、甲状腺疾患などの疾患が増加していることが示されました」(原田さん)
欧米では、10年ほど前から規制が進んでおり、アメリカの環境保護局は今年3月、PFASの種類で代表的な“PFOS”と“PFOA”それぞれの基準値を4ng/Lとする新たな規制値案を提示。