2024年1月17日 06:00
「衝突までの猶予は20数秒」【羽田炎上事故】複数パイロットが証言“JAL機はなぜ海保機に気づかなかったのか”
なぜこのように痛ましい事故が起きたのかは、海保機、管制、JAL機のやり取りやボイスレコーダーなどの調査・解析から原因究明されるのを待つしかないが、私たちにとって、この3者で最も近い存在は、乗客として利用することがあるJAL機だろう。
JAL機のパイロットは約40秒の間、滑走路上で停止していた、進路上の障害物となる海保機を「視認できなかった」と話している。
日本経済新聞1月9日ウェブ公開「検証・羽田空港衝突事故」によれば、海保機が滑走路上に停止した衝突40秒前、JAL機は2.3キロの距離まで迫っていたことが、航跡データやライブカメラの記録でわかる。高度は約84メートル、速度は毎時224キロだった。
つまり衝突地点から2キロ以上も離れた上空を飛行していたJAL機が、それから40秒近く、進行方向に停止している障害物を発見できなかった可能性があるのだ。
事故発生は18時前と夜間の出来事だった。
本誌は緊急に、2人のパイロット(現役、OB)にコンタクトを取り、話を聞いた。
■JAL機パイロットはなぜ海保機を「視認できなかった」のか?
「今回の事故では、海保機が滑走路に進入した時点で、JAL機が滑走路からどれくらい離れていたのかが、焦点になると思います。