発がん汚染物質“PFAS”が川魚から検出、アサリやタラにも…専門家が食の安全に警鐘
カワムツから340倍のPFASが(写真:PIXTA)
「神奈川県相模原市を流れる道保川ではある“発がん性物質”が高濃度で検出されています。今回、そこに生息する川魚を東京新聞と共同で調べたところ、魚からも刺身1切れの量で健康被害の恐れがある高い数値が検出されたのです」
そう話すのは京都大学大学院環境衛生学准教授の原田浩二先生。原田先生の言う発がん性物質とは、有機フッ素化合物(以下、PFAS/ピーファス)だ。熱や光に強く、水や油をはじく性質があるため、フライパンのコーティングや撥水加工のレインコートなどから、米軍基地での消火活動・訓練に利用する泡消火薬剤などに幅広く使われてきた。
20年以上にわたってPFASの毒性を研究している原田先生は、その危険性を次のように話す。 「PFASは’80年ぐらいから使われていますが、’00年ごろから自然界で分解されにくく、長くとどまる“永遠の化学物質”だと発覚し、健康リスクがあると判明。昨年12月1日には世界保健機関(WHO)のがん研究機関が、PFASのなかでも毒性の強いPFOAにはアスベスト並みに高い確証で発がん性があると発表しました」(原田先生、以下同)