くらし情報『86歳現役のイラストレーター・田村セツコさんが語る「母と妹のW老老介護」』

86歳現役のイラストレーター・田村セツコさんが語る「母と妹のW老老介護」

銀行の秘書室の仕事は楽しかったが、絵を描きたいとの思いは募るばかり。そんなある日。

「ビルの屋上から、ふと見下ろすと、ホームレス風のおじさんがゴミ拾いをしているのが目に入って。その姿が、なんとも自由でいいなぁ、と思ったんです。それで、決心がつきました」

退職することにしたが、両親は当然というか、猛反対だった。

「安定していたし、そのまま銀行にいたら、きっと縁談にも困らなかったでしょうからね(笑)」

田村さんは、ふたりの前に正座して、3つの誓いを述べていた。

「後悔はしない、愚痴は言わない、経済的負担もかけませんから」 翌日から、出版社を営業で回る日々が始まった。

■順風満帆のイラストレーターの生活から父の介護、さらに母と妹のW老老介護に奔走

「当時の少女マンガの編集部は、まだまだ完全な男性社会。
私は、ひとつイラストを頼まれたら10パターンくらい描いて、『好きなものを使ってください』と、そんな努力は惜しみませんでした。古本街で海外の『エル』や映画雑誌を見て、モデルや女優さんのファッションを学んだりも」

地道な頑張りが、やがて大きな転機を引き寄せていく。

「ある画家の先生が急な高熱で、『少女クラブ』増刊号8ページ分の挿絵に穴があくというんで、編集部全員が真っ青な顔になっていた。

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