「実はベーシックなヒーロー物語」、宮崎監督の“難解作”『君たちはどう生きるか』が欧米で高評価な理由
(C)2023 Studio Ghibli
宮崎駿監督(83)の『君たちはどう生きるか』が2月18日、英国アカデミー賞のアニメ映画賞を受賞した。イギリスの公共放送BBCによれば、日本の作品がアニメ映画賞を受賞するのは初めてだという。
昨年7月に日本で公開された『君たちはどう生きるか』は10年ぶりに宮崎監督が、脚本も自ら手掛けた長編作品として注目を集めた。だが、事前にストーリーが明かされなかったこともあり、「よくわからなかった」「子供には難しいのでは」という声も多かった。
公開直後に本誌が取材した映画コメンテーターもこう語っていた。
「終了したとき客席もドヨドヨしていましたが、実は私も初めて見たときは『何を訴えたいのか、よくわからないな』という感想を抱きました(笑)。そして2回目を見て、なるほど、と……」
だが12月に北米で公開されると、“ジブリ史上最高額の興行収入を記録”と話題になり、3月11日に授賞式が行われるアカデミー賞の長編アニメーション賞にもノミネートされている。
宮崎監督本人がキャスト・スタッフ限定の試写会で《おそらく訳がわからなかったでしょう。
私自身、訳がわからないところがありました》とコメントした“難解作”は、なぜ欧米で高い評価を受けているのか?脚本家で映画ライターの竹内清人さんに聞いた。