「実はベーシックなヒーロー物語」、宮崎監督の“難解作”『君たちはどう生きるか』が欧米で高評価な理由
【1】日常世界に主人公が不満を抱く
【2】主人公がその世界から冒険に旅立とうとする
【3】旅立ちの際に、他人から邪魔されたり、躊躇したりする
【4】未知との恐怖を乗り越え、師匠と出会う
【5】最初の関門を突破する
【6】試練に立ち向かいながら、仲間や宿敵と出会う
【7】もっとも危険な場所に接近する
【8】最大の試練を受ける
【9】報酬を受ける
【10】帰路につく
【11】もう一度困難に立ち向かい再生する
【12】宝を持って帰還する
「『君たちはどう生きるか』にも、この12のプロセスは当てはまります。絵コンテを描きながら物語を作っていく宮崎さんは、おそらく長年の経験則で本能的にこのメソッドを導き出しているのだと思います。欧米では日本と異なり、余計なバイアスがないために、ベーシックなヒーロー物語として受け入れやすかったのでしょう」
最後に、宮崎監督のオスカー受賞の可能性について竹内さんに聞いた。
「CG全盛の時代、『君たちはどう生きるか』の手描きアニメーションの魅力も非常に高く評価されています。
また10年近くの充電期間を経て発表されたものが、これだけエネルギーにあふれた作品だということも審査員から評価されると思いますので、『千と千尋の神隠し』に続く2度目のオスカー獲得も充分ありえると思います」
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