7浪して医学部、国家試験に2回落ちて53歳で医師になった女性「それでも諦めなかった理由」
都内を駆けずり回って、ようやく対応してもらえる病院を探し当てて提出しました。
そこまでやったのは、当時、点数は取れているのに年齢でハネられた女性受験者がいるというウワサを耳にしていて、1年でも早く受かりたいと思ったんです」
結果は不合格だったが、のちに有名医大が女性や年齢を重ねた受験生を入試で不利に扱っていたことが発覚。彼女の焦りも、まったくのではなかった。
「その後、39歳で長男を産みました。ずっと妊娠、子育て中の受験でしたから、試験の最中も母乳のせいで胸がパンパンに張って、休み時間にトイレに駆け込んで搾乳したり。ひどいつわりで急激に5キロも痩せて脱水症状にも陥り、3カ月入院したりも。
そんななかでも頑張れたのは、1月のセンター試験という確固とした目標があったから。とはいえ、もう受験直後の自己採点で、合格圏内にはいないとわかるんです。
すると落ち込んで冬眠状態に陥り、もう誰にも会いたくないし、桜が咲いても見たくもなかった」
そして長女が3歳、長男が1歳になるという年だった。
「さすがに子供もどんどん大きくなりますから、今年ダメだったらあきらめようと思っていました。そしたら、受かったんです」