孤独な遺体を受け入れ続ける夫婦2人だけの葬儀社の覚悟「身寄りがない方も私たちがお見送りします」
いわき市の葬祭扶助の上限額は当時18万3000円でした」
ここでも、石原さんたちは、超破格値の見積もり額で入札に挑む。
「金額は言えませんけど、上限額をだいぶ下回る金額。もうけなんか本当にちょこっと。でも、私たちは夫婦二人が食べていければそれでいいという考え方ですから」
税金を投入する手前、1円でも安く引き受けてくれる葬儀社は市としてありがたい。そのうえ、いざ任せてみれば、丁寧な仕事ぶりで利用者の評判も上々となれば……。
「そこからです。どんどん福祉葬の依頼が入るようになって。さらに行政同士、つながりがあるみたいで。
そのうち、今度は警察署からの紹介の仕事も入るように」
こうして、いしはら葬斎には、孤独死した身寄りのない人や生活保護を受けていた人、さらに事件や事故の犠牲者、自殺者など、込み入った事情のある葬儀の依頼が次々寄せられるようになった。
【後編】小さな葬儀社がみた3.11「東日本大震災で亡くなったご遺体はお顔だけが驚くほどきれいでした」へ続く
(取材・文:仲本剛)
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