ビジネスメールで「よろしくお願い“致します”」はNGなのか ビジネスメールのプロが示した意外な見解
例えば、ある辞書を引くと『いたす』という言葉自体は漢字表記で記載されています。
『いたす』という言葉は、動詞の場合は漢字表記で『致す』、『する』の丁重な言い方では仮名書きにしてもよい、と載っています。『不徳の致すところ』や『私がいたします』などです。
補助動詞の場合、名詞に『いたします』をつけて『する』の丁重な言い方をするときは『帰宅いたします』など、ひらがなで例が載っています。通常の表記に関しては、補助動詞はひらがな書きが望ましいと、文化庁の報告や、共同通信社の“記者ハンドブック”、講談社の校閲局が発表している用語の辞典などに記載があると思います。
それらを踏まえて見ていくと、『お願いいたします』の場合の『いたす』は補助動詞であるため、ひらがな表記にするといった使い分けが1つ基準として存在はしているかと考えています」
また、「よろしく」なのか「宜しく」なのかについては次のように解説する。「『よろしく』というのは副詞で、常用漢字表にない音訓です。こちらも仮名書きにしてもよい、とされています」
だが、直井氏は漢字で書いたからといって“間違いである”とは言えないと話す。
「例文として伺いました『よろしくお願いいたします』に関しては、お話したような解説が可能だと思います。