最高齢アプリ開発者・若宮正子さん(88歳)ティムクックにも直談判! 81歳からの超サクセスストーリー
のシュウカツ?あっ、エンディングのほうね。実はまったく考えていないの。いくら死ぬときは人に面倒をかけたくないといっても、どれほど立派な人でも一人で棺桶に入って、自分で火葬場には行けませんからね。誰かしらの世話になるわけだし、心配しだしたらきりがない。だから考えないようにしています」
あまり先のことを考えるのは好きではないよう。20代のころに結婚を約束したという人物についても聞いてみたのだが──。
「過去のことにはまったく関心がないの。今日のことで精いっぱい。
将来のことや昔のことよりも、今やることにしか興味がないのよ」
過去のことを振り返るのは、もっと嫌いなようだ。
「本当は『世界最高齢のプログラマー』と言われるのも嫌。そもそも自分の年齢に興味がないから。この前、ネットで知り合って友達になった中学生のお嬢さんとイタメシ屋でオフ会したのよ」
桜の花が散るころには、89歳の誕生日を迎える。
「毎朝起きるとワクワクします。今日はどんな場所に行けて、どんな出会いがあるのかと。あちこち行きたいし、やりたいこともいっぱい。1日24時間では、とても足りない。
デジタル技術が自分の仕事や人生を変えてくれたという思いがあるから、少しくらいは恩返ししないとバチが当たりますよね」
そう語ると、背筋をピンと伸ばして遠くを見つめた。
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