iDeCo 70歳まで積みたて延長は年金70歳支給開始の布石
厚生労働省は、iDeCo(個人型確定拠出年金)の積み立て期間を5年延長して70歳までにする方針を固めました。
iDeCoとは、自分が払った掛け金を自分で運用し、老後の資産を作る“自分年金”の制度です。掛け金の積み立ては原則60歳未満までですが、2022年5月から働いて年金保険料を払う方は65歳未満までになっています。今後議論を重ね、2025年に法案を提出する予定です。
iDeCoには3つのメリットがあります。
(1)掛け金が全額所得控除になり、所得税を減らせる。
(2)運用で得た利益が非課税になる。
(2)60歳以降に受け取る際も税控除の仕組みがある。
節税につながるメリットが強調されがちですが、当然デメリットもあります。
最大のデメリットは、受け取りが60歳以降に限定されること。60歳まで勤めあげる方には問題ありませんが、勤務先の倒産やリストラなどがないとは限りません。
2023年の全国企業の倒産件数は前年より約35%増えて8千690件。31年ぶりの高水準で、2024年も倒産が増えるといわれます(東京商工リサーチ)。特に自営業者は、万が一倒産したら「iCeCoで貯めている資金が使えれば……」