岡部たかし『虎に翼』寅子の父語る“人生の暗黒期”は新入社員時代「1年間ほんま辛かった」
だから僕が彼女に『あのスタッフさん、怖くないん?』とアドバイスを求めています。すごく頼りにしております(笑)」
なにより、彼女が現場で「あっ、お父さん!」と、自然に言ってくれるのがうれしいと笑みを浮かべる。
愛する娘を応援したい。同時に“理解ある父”としてカッコつけたい。でもいちばんは妻が怖い。
「人間的にも愛すべきお父さんだと思います。怖い妻の尻に敷かれる直言が“面白い”んです」
この“面白さ”は、自分の母や元妻との関係とも共通しているかもと、自らの半生を振り返ってくれた。
■お調子者だった学生時代から一変、就職した職場では一切喋らず暗い日々
岡部は’72年6月、和歌山県で生まれた。
幼稚園のころは泣き虫の母親っ子で、ケンカに負けて帰ると「(相手に)唾でも吐いてくるぐらい強くなれ!」と怒られた。
「母親が強くて怖かったのは猪爪家と同じ(笑)。小学校からは明るくていちびりで、ものまねしたり、周りを笑わせるのが好きでした」
いちびりとは、関西弁でふざけてはしゃぐお調子者を指す言葉だ。小学5年生の担任の先生から「ひょうきん大賞」をもらうほど、クラスの人気者になっていた。
「みんなを集めて野球を始めたり、何かを一緒にするのが大好きで、友達は多かったですね」