唐十郎さん 三田佳子次男の身元引受人にも…本誌記者が直撃取材で垣間見た豪快素顔
(写真:時事通信)
「俺たちは金がないからさ、お参りしても賽銭は5円(ご縁)ぐらいのものだよ」
本誌記者に、そう言って大きな声で笑った唐十郎さん(享年84)。2015年当時、記者は豊島区・鬼子母神境内で移動式劇場「紅テント」公演の取材中だった。
「境内を借りるのも大変ですよね」という質問への唐さんの回答が“5円ぐらい”だったのだ。
アンダーグラウンド演劇の旗手として絶大な人気を誇り、数多くの独創的な舞台を作り上げた、劇作家で演出家、俳優の唐十郎さんが都内の病院で急性硬膜下血腫のために亡くなったのは5月4日のことだった。
「豪快な性格で、多くの破天荒エピソードも残しています。1969年には寺山修司さんの『天井桟敷』と唐十郎さんの『状況劇場』の二大アングラ劇団同士が殴り合う事件を起こし、寺山さんや唐さんが逮捕されました。
また唐さんが監督を務め、1976年に公開された映画『任侠外伝・玄界灘』の撮影現場で、本物の拳銃を使用したことが発覚し、逮捕されています」(演劇ライター)
本誌記者が唐十郎さんを始めて取材したのは2003年夏。女優・三田佳子(82)の次男で元俳優の高橋祐也(44)