5月5日に行われた米オハイオ州立大学の春期卒業式で、会場のオハイオ・スタジアムのスタンドから女性が転落し死亡した。当局は当初伏せられていた女性の身元を、9日にジョージア州在住のラリッサ・ブレイディさん(53)と公表した。彼女はこの日、卒業式に出席していた女子学生の母親だった。
USA TODAYによると、この日ブレイディさんは夫と12歳の息子と共に会場に入り卒業式を観覧していたが、途中で「もっと上の方から見てくる」と言って席を立ったという。それが彼女が家族と交わした最後の言葉になってしまった。
ブレイディさんは客席の最後列まで移動。このとき、彼女がコンクリートの壁を乗り越える姿が目撃されている。その後間もなく落下したとみられ、通報により駆けつけた救急隊が死亡を確認した。
列席者に動揺が拡がるなか、卒業式は中断することなく続けられたという。
フランクリン郡検視官事務所は、ブレイディさんの死を「明らかな自殺」と断定したとUSA TODAYは報じている。彼女は以前からメンタルヘルスの問題に悩まされ、これまで少なくとも2度の自殺未遂をしていたという。また夫は捜査当局に対し、最近ブレイディさんが薬を服用していなかったと伝えているそうだ。